奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(破産手続き中)で肝腫瘍(しゅよう)の摘出手術中に男性患者=当時(51)=が死亡した事件で、業務上過失致死容疑で逮捕された元理事長山本文夫容疑者(52)は、主治医塚本泰彦容疑者(54)の着任前、看護師らに「これは、がんや」と話していたことが10日、捜査関係者への取材で分かった。
塚本容疑者はこれまでの調べに対し「元理事長に持ち掛けられた」と話していたという。奈良県警捜査1課などは、塚本容疑者による十分な検査が実施される前に、腫瘍摘出手術を決めていたとみて調べを進める。
捜査関係者によると、患者は2006年1月、慢性肝炎の疑いがあることから山本病院に転院。当時の主治医は山本容疑者で、肝臓について「異常なし」と診断していた。
同病院は同年3月、コンピューター断層撮影装置(CT)検査とエコー検査を実施、患者の肝臓に約1.5センチの白い影が見つかった。ただ、がんの目安となる腫瘍マーカーに異常はなく、放射線担当の勤務医が「肝臓がんか肝血管腫」と診断し、精密検査することを希望した。
しかし、山本容疑者は「これは、がんや」と断定。その後着任した塚本容疑者にも「がんということにしとき。手術したら、もうかる」と手術を指示したという。
【関連ニュース】
・
計画書作成せず手術実施=山本病院患者死亡 ・
必然性ないがん治療も=良性腫瘍の死亡患者に ・
「異常死隠すため病室に運んだ」=主治医塚本容疑者 ・
反対押し切り、専門外の手術強行=山本容疑者「任せとけ」 ・
日記に「説明ちんぷんかんぷん」=山本病院患者死亡事件 ・
<自民>週末に全国で街頭演説 首相や小沢氏追及(毎日新聞)・
<公設派遣村>退所後に住まい確保、502人(毎日新聞)・
<普天間移設>グアム・テニアン案…社民・国民新が提示へ(毎日新聞)・
<抗争殺人容疑>手配の組幹部をバンコクで逮捕(毎日新聞)・
戦時中の強制連行の賠償請求、2審も認めず(読売新聞)